かくも儚い恋心…
一途な想いは、時を越えて今もその胸に生き続ける…
あの時の木村さんは亡くなった後だったというのか。
ボクが見たのは…木村さんの幽霊だったというのか。
「毎日来てるんだよ」
背筋がぞくぞくしてくる。
あの時の
子供の声が
浮かんできた。
あの子供は…誰だ?
あの子供こそ、
あそこで何をしていたんだ?
まさか…あの子供も?
木村さんが立っていたあの場所は…
あれは…木村さん本人の墓の前だったのか?
それとも、もしかすると…彼の墓の前だったのか?
葬式にも行けず、
ただただ思い出の彼を思い続けて…。
足が悪いから。
墓参りにも行けず。
いや、
行けたとしても
人目を忍ぶしかなかっただろう。
そうして死んでからもなお人目に付かない深夜に毎晩通っていたのか。
そうなのか?
やっと逢えるようになったのか?
死んでからやっと毎晩会えるようになったのか。
「○○寺で全部やってもらったみたいよ」
あのお寺だ。
ケータイ小説
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