かくも儚い恋心…
一途な想いは、時を越えて今もその胸に生き続ける…
それからしばらくした後のある日。
ボクは木村さんの近所の配達で大変だった。お香典返しが大量に入荷したのだ。
住宅が密集している地域だから、クルマを停めて、お香典返しを大量に抱えて歩いて配達していた。
何軒か配達しているうちに配達先のお客さんから言われた。
「あぁ、この辺全部でしょう?大変ね。木村さんもまだまだ若かったのにねぇ」
木村さん…?
まだ不在票も書いていなかったので、差出人まで見ていなかったから気が付かなかったが、このお香典返しの差出人の苗字は木村さんだった。
「あ、あれ?木村さんってあそこの木村さんなんですか?」
一人暮らしだと思ったが…
誰か他にも住んでたのか?
「そうなのよ。一人暮らしだったでしょう?親戚が来るまでわからなかったみたいよ」
え…?
じゃあ…
木村さん本人ということか?
木村さん…
亡くなったのか…。
ケータイ小説
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