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ケイタイ小説 想い出幽霊

かくも儚い恋心…
一途な想いは、時を越えて今もその胸に生き続ける…


想い出幽霊

第十六章:遅い訃報

それからしばらくした後のある日。

ボクは木村さんの近所の配達で大変だった。お香典返しが大量に入荷したのだ。

住宅が密集している地域だから、クルマを停めて、お香典返しを大量に抱えて歩いて配達していた。

何軒か配達しているうちに配達先のお客さんから言われた。
 
 
「あぁ、この辺全部でしょう?大変ね。木村さんもまだまだ若かったのにねぇ」
 
 
木村さん…?
 
 
まだ不在票も書いていなかったので、差出人まで見ていなかったから気が付かなかったが、このお香典返しの差出人の苗字は木村さんだった。
 
 
「あ、あれ?木村さんってあそこの木村さんなんですか?」
 
 
一人暮らしだと思ったが…
誰か他にも住んでたのか?
 
 
「そうなのよ。一人暮らしだったでしょう?親戚が来るまでわからなかったみたいよ」
 
 
え…?
じゃあ…
木村さん本人ということか?

木村さん…
亡くなったのか…。

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