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ケイタイ小説 想い出幽霊

かくも儚い恋心…
一途な想いは、時を越えて今もその胸に生き続ける…


想い出幽霊

第十三章:夾竹桃

立ち上がった木村さんは庭にある木の傍に行った。

「夾竹桃だよ。あの人が贈ってくれたの。プレゼントに苗木を寄こすなんてね」
 
そう言って少し笑った。
 
その夾竹桃は今は庭に植えられて大きく成長していた。
 
彼がお気に入りだった木だそうだ。

そしてすぐ脇にある小さな花を指差して
 
 
「それでこっちが蝦夷菊。アタシが好きな花。菊が好きだなんて変わってるだろう」
 
 
夾竹桃に寄り添うように蝦夷菊が咲いている。木村さんはそこに自分の夢を映したのだろうか?
 
 
「あんたはあの人に似てるよ」
 
 
一瞬ぽかんとした後に
ボクは顔が赤くなった。
 
  
「いやだよ、この子は!赤くなったりして。変な事考えたろ?」
 
 
まるで少女のように、軽くぶつ真似をして木村さんは大いに笑った。

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