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ケイタイ小説 想い出幽霊

かくも儚い恋心…
一途な想いは、時を越えて今もその胸に生き続ける…


想い出幽霊

第八章:闇の眼

闇の中で、女性はゆっくりと振り向いた。

が、ボクの居る所まで振り返ることはなかった。
 
ボクにはまるで気が付いていないようだ。
 
子供に対する恐怖もあったが、ボクは思わずしゃがんで身を隠した。
禍々しい気配を感じる。
あの女性に見つかりたくない。
 
 
しかし、しゃがむと子供と同じ目線になってしまう。さっきの子供がまた来たらどうする?激しい恐怖が全身を駆け巡った。
 
  
さっきの子供はなんなのだ?

どこから来てどこへ行ったのだ?

何故、あの女性が毎日来ている事を知っているのだ?

あの子供も毎日ここに居るという事か?

あの子供は…あの子供は誰なのだ?
 
 
この暗闇の中から
今にも目前に現れて
同じ目の高さから
「にい」と笑う…
その顔を想像して
気が遠くなりそうだった。
 
 
来るな来るな!
 
 
目を瞑って恐怖に身を縮めた。

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