かくも儚い恋心…
一途な想いは、時を越えて今もその胸に生き続ける…
そこに…人がいた。
真っ暗な闇の中に白っぽい服を着た女性がいた。
闇の中に浮き上がるように。
こちらに背を向けて、ただひとりで女性がそこにいた。
こんな夜中に…。
一体何をしているのか?
まさか、墓参りなのか?
そう思っている時に
足元で子供の声がした。
「最近、いつも来てるんだよ」
最近いつも…?
こんな時間にか?
そこでボクはやっと気が付いた。
子供の声?
何故?
全身に鳥肌が立つ。
子供が居るわけないじゃないか。
こんな時間に。
こんな場所に。
後ろから来たのなら足音がしたはずだ。
ふふ…。
ああ、どうしよう。
子供の甘えたような笑い声がする。
すぐ足元で。
だめだ。
振り向くな。
だがボクは、
ばっと足元を見た。
ケータイ小説
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