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ケイタイ小説 想い出幽霊

かくも儚い恋心…
一途な想いは、時を越えて今もその胸に生き続ける…


想い出幽霊

第六章:声

そこに…人がいた。
 
真っ暗な闇の中に白っぽい服を着た女性がいた。

闇の中に浮き上がるように。
こちらに背を向けて、ただひとりで女性がそこにいた。

こんな夜中に…。
一体何をしているのか?
まさか、墓参りなのか?
 
 
そう思っている時に
足元で子供の声がした。
 
 
「最近、いつも来てるんだよ」
 
 
最近いつも…?
こんな時間にか?
 
 
そこでボクはやっと気が付いた。
 
 
子供の声?

何故?

全身に鳥肌が立つ。
 
 
子供が居るわけないじゃないか。
こんな時間に。
こんな場所に。
後ろから来たのなら足音がしたはずだ。
 
 
ふふ…。
 
 
ああ、どうしよう。
子供の甘えたような笑い声がする。
すぐ足元で。
 
 
だめだ。

振り向くな。

だがボクは、
ばっと足元を見た。

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