クリスマスの奇跡…
時は、お歳暮時期の真っ只中。
超忙しく配達しているボクの足元に、空き地から野球のボールが転がってきたのです。
しゃがんでボールを取ると空き地から少年が走ってきました。
「ありがとうございます」
おお、礼儀正しいじゃないか。
少年はボールを受取るとまた空き地へ戻って行こうとしましたが、何故かボクのクルマの前でピタと止まりました。
「どうかした?」
ボクが声を掛けると少年は
「横浜のファンなの?」
ボクのクルマには横浜ベイスターズのステッカーが貼ってあるのです。少年はそのステッカーを見て言ったのでしょう。
「おう、そうだよ」
「僕も!僕ね、クリスマスにホッシーのストラップ貰うんだ!」
「へぇ、よかったね」
そう相槌を打ちましたが
携帯ストラップ…?
そんなもんでいいのか?
それよりも携帯ストラップ必要なのか?その歳で携帯持ってるのかなぁ?
「限定なんだよ。ゴールドホッシーだって!」
よくわかりませんが…。
ひとしきり横浜ベイスターズの話をしたり選手のモノマネをしたりした後に、少年が空き地へと戻っていったのでボクは配達に向かいました。
ケータイ小説
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