あの丘の上は異世界だったのか?
ボクは闇の世界を覗いてしまった
あぁ…。
何故早く帰らなかったんだ。
音が、耳元で響く。
暗い山の中の墓場で、男が寂しげに笑う。
「あ、ありがとうございました」
荷物を渡し、ボクは逃げ出した。
小屋の方へ、上がってきた山道の方へ。
だが…
道が見つからない。
上がってくる時でさえ道とは言えないものだったのだから、見失ってしまったのか。
こうしている間にも、男の手が肩に掛かりそうな恐怖が襲い掛かり…
パキッ
音が追ってくる!
何が音を立てているのかわからない。
そんな事は、今のボクにはどうでもいい。
そして、男の顔がボクの肩越しに覗き込む幻覚が…
ボクは一気に崖に踏み出した。
ケータイ小説
(C)TAKUHAI-ATHLETE