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ケータイ小説:昭和から来た男

あの丘の上は異世界だったのか?
ボクは闇の世界を覗いてしまった


昭和から来た男

第十二章:襲撃

あぁ…。
何故早く帰らなかったんだ。

音が、耳元で響く。

暗い山の中の墓場で、男が寂しげに笑う。
 
 
「あ、ありがとうございました」


荷物を渡し、ボクは逃げ出した。
小屋の方へ、上がってきた山道の方へ。

だが…
道が見つからない。
上がってくる時でさえ道とは言えないものだったのだから、見失ってしまったのか。

こうしている間にも、男の手が肩に掛かりそうな恐怖が襲い掛かり…


パキッ

 
音が追ってくる!
何が音を立てているのかわからない。
そんな事は、今のボクにはどうでもいい。


そして、男の顔がボクの肩越しに覗き込む幻覚が…


ボクは一気に崖に踏み出した。

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