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ケータイ小説:昭和から来た男

あの丘の上は異世界だったのか?
ボクは闇の世界を覗いてしまった


昭和から来た男

第十一章:墓

「この品物はご本人様に手渡しするように指示されているのですが」

ボクは嘘をつく

「ですから私です」

「じゃ、この住所はどちらになるんでしょうか?」

「ここです」


ここは墓だ。

 
「ここなんです。待っていました」


待っていた?
荷物を?
それとも…ボクを?

 
「えー…と、ここでですか?ボクが何時に来るかも分からないのに?」

 
「はい。私はここに着いてしまったら動けません」
 
「は…?」

「私は、動けません」


パキッ


音が…


「ここに辿り着きましたから」


ここは墓だ


パキッ


「私の家です」


パキィィ────ン


男はゆっくりと墓を指差した。

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