あの丘の上は異世界だったのか?
ボクは闇の世界を覗いてしまった
「この品物はご本人様に手渡しするように指示されているのですが」
ボクは嘘をつく
「ですから私です」
「じゃ、この住所はどちらになるんでしょうか?」
「ここです」
ここは墓だ。
「ここなんです。待っていました」
待っていた?
荷物を?
それとも…ボクを?
「えー…と、ここでですか?ボクが何時に来るかも分からないのに?」
「はい。私はここに着いてしまったら動けません」
「は…?」
「私は、動けません」
パキッ
音が…
「ここに辿り着きましたから」
ここは墓だ
パキッ
「私の家です」
パキィィ────ン
男はゆっくりと墓を指差した。
ケータイ小説
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