ケータイ小説:TOP>ホラー>昭和から来た男

ケータイ小説:昭和から来た男

あの丘の上は異世界だったのか?
ボクは闇の世界を覗いてしまった


昭和から来た男

第七章:小屋

山肌の道は進めば進むほどに、道でなくなり、ただの崖を上っているようになってくる。


すでに足元もよく見えないくらいに暗くなってきた時、ふいに少し開けた場所に出た。


パキ


また音が。
何だ?何が鳴っているんだ?

音の方向を確認しようと見渡したが、何も無い。
いや……細く、明かりが見えた。

辺りはもう真っ暗だった。
開けたこの場所はテニスコート半面くらいの広さだ。
その片隅で、弱く明かりが灯っているのが見える。

その方向に歩いていくと、そこには小さな小屋があった。

小屋は普通の物置程度の大きさで、ただ、板切れを貼り付けて建てたような粗末なものだった。

小屋には引き戸があり、その隙間から明かりが漏れていた。


(こんな所に…)


不審に思ったが、大体ボクは家を探しにここに来たのではなかったか。それなら明かりが灯っていて不思議だという事はない。むしろ、ここには家があり、人がいる証明じゃないのか?

その小屋に向かって声を掛けてみるが、全く返事は無い。
何度か試したが、まったく状況に変化はない。

(誰もいないのだろうか)

普通なら不在票を書いて持ち戻るところだが、ここにまた来るのはイヤだった。


(作業場なのかな…?明かりが灯っているけれど住居じゃないよな…)


ここで迷っていても仕方が無い。
ボクは引き戸を開けた。


しかし……そこは闇だった。

≪前へTOP次へ≫


この作品のもくじを見る
ケータイ小説:他のホラー作品

ケータイ小説:サイトマップ
ケータイ小説:ホーム

作者について
このサイトについて
著作権

友達に教える

[デコメール][待受画像][着うた]
[キャッシング][占い][出会い]


ケータイ小説
(C)TAKUHAI-ATHLETE