あの丘の上は異世界だったのか?
ボクは闇の世界を覗いてしまった
中に入ると道は細く、気持ちぬかるんでいる感じがした。
門の外から見た道は、多少なりとも踏み固められているように見えたのだが、それはすぐにただ草が生い茂っている山肌となってしまった。
足元に注意しながら進まないと滑りそうなくらいだ。
こんな所にお屋敷と呼べるほどの家があるのだろうか?
10歩も進むと、こんな所に入り込んだ自分が、とても馬鹿のように感じてきた。
その時、「パキ」と音が聞こえた。
ふと上を見上げる。
あれ?
いつのまにかかなり暗くなってきていた。
木々が生い茂っているせいもあるのだろうが、すでにちょっと先は見えないくらいに暗くなっていた。
こんな所に家なんてあるはず無い。
現地確認は十分だ。
あとはもう調査係に頼もう。
帰ろう。
そう思った時にまた音が聞こえた。
パキ…
何の音だろう?
小さな音なのにやけにはっきりと聞こえる。
帰ろうと思ったのに、ボクは前進した。
何かに呼ばれているように。
足元に注意を戻し、滑らないように一歩づつ進んだ。
ケータイ小説
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