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ケータイ小説:昭和から来た男

あの丘の上は異世界だったのか?
ボクは闇の世界を覗いてしまった


昭和から来た男

第六章:謎音

中に入ると道は細く、気持ちぬかるんでいる感じがした。

門の外から見た道は、多少なりとも踏み固められているように見えたのだが、それはすぐにただ草が生い茂っている山肌となってしまった。
 
足元に注意しながら進まないと滑りそうなくらいだ。
こんな所にお屋敷と呼べるほどの家があるのだろうか?

10歩も進むと、こんな所に入り込んだ自分が、とても馬鹿のように感じてきた。


その時、「パキ」と音が聞こえた。
ふと上を見上げる。


あれ?


いつのまにかかなり暗くなってきていた。
木々が生い茂っているせいもあるのだろうが、すでにちょっと先は見えないくらいに暗くなっていた。

こんな所に家なんてあるはず無い。
現地確認は十分だ。
あとはもう調査係に頼もう。

帰ろう。

そう思った時にまた音が聞こえた。


パキ…


何の音だろう?
小さな音なのにやけにはっきりと聞こえる。

帰ろうと思ったのに、ボクは前進した。
何かに呼ばれているように。
足元に注意を戻し、滑らないように一歩づつ進んだ。

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