ボクは…誰と話したんだ?
この電話は何処に繋がったんだ…?
どうやら他の住人が帰宅してきたようだ。
慌てて車を脇に寄せてから電話に話を戻したが、切れていた。
掛けなおすが今度は呼び出し音が鳴るばかり。
何度か掛けなおすが結果は同じ。
困ったなと思ったが、そうかと思い直す。
今帰ってきた住人に聞けばいいんだ。
住人が車を停めて来るのを待ってから尋ねてみる。
「すいません、107号はどちらになるか判りますか?」
しかし返答は以外にも「で?何の用?」
そういう返答は予想していなかったので、少しムッとしながらも「あ、いや判らなければ結構ですから」と答えた。
仕方なく車に戻り、地図を広げる。
合っていると言われた以上、また住不で持ち帰るわけにもいかない。
部屋が無いなら住所が違うとしか考えられない。
町名が違うとか。区が違うとか。
車内灯の明りで地図を見ていると、ふと違和感を感じた。
…なんだ?
前を見る。
車が停まっている。配達に来た車のようだ。
(この人もここに夜に配達か)
と同情しながらも地図に目を戻す。
しかし…。また違和感。
いや異様な感じだ。
毛穴が開いていくような異様な感覚。
また前を見る。
今度は判った。瞬間的に!
前に停まっている車は俺のクルマだ!
なんでだ?
ナンバーが同じ。
俺はここでクルマに乗ってる。
何故同じナンバーのクルマが目の前にある?
クルマを降りて確かめに行く。
何故だ?
間違いない!
へこみからステッカーまで同じだ。
俺のだ。
何故だ。
シートカバーまで!
何故同じクルマが2台ある?
勘違いなんかじゃない。
間違いなく俺のクルマだ。
その時、突然後ろから声をかけられた。
ケータイ小説
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