ケータイ小説:TOP>ホラー>真夏の夜と都会の海

ケータイ小説:真夏の夜と都会の海

ボクは…誰と話したんだ?
この電話は何処に繋がったんだ…?


真夏の夜と都会の海

第四章:分身

どうやら他の住人が帰宅してきたようだ。
慌てて車を脇に寄せてから電話に話を戻したが、切れていた。

掛けなおすが今度は呼び出し音が鳴るばかり。
何度か掛けなおすが結果は同じ。

困ったなと思ったが、そうかと思い直す。
今帰ってきた住人に聞けばいいんだ。
住人が車を停めて来るのを待ってから尋ねてみる。

「すいません、107号はどちらになるか判りますか?」
 
しかし返答は以外にも「で?何の用?」
そういう返答は予想していなかったので、少しムッとしながらも「あ、いや判らなければ結構ですから」と答えた。

仕方なく車に戻り、地図を広げる。
合っていると言われた以上、また住不で持ち帰るわけにもいかない。
部屋が無いなら住所が違うとしか考えられない。

町名が違うとか。区が違うとか。
車内灯の明りで地図を見ていると、ふと違和感を感じた。

…なんだ?

前を見る。
車が停まっている。配達に来た車のようだ。

(この人もここに夜に配達か)

と同情しながらも地図に目を戻す。

しかし…。また違和感。
いや異様な感じだ。
毛穴が開いていくような異様な感覚。

また前を見る。
今度は判った。瞬間的に!

前に停まっている車は俺のクルマだ!

なんでだ?
ナンバーが同じ。

俺はここでクルマに乗ってる。
何故同じナンバーのクルマが目の前にある?

クルマを降りて確かめに行く。
何故だ?
間違いない!
へこみからステッカーまで同じだ。

俺のだ。
何故だ。
シートカバーまで!
何故同じクルマが2台ある?

勘違いなんかじゃない。
間違いなく俺のクルマだ。

その時、突然後ろから声をかけられた。

≪前へTOP次へ≫


この作品のもくじを見る
ケータイ小説:他のホラー作品

ケータイ小説:サイトマップ
ケータイ小説:ホーム

作者について
このサイトについて
著作権

友達に教える

[デコメール][待受画像][着うた]
[キャッシング][占い][出会い]


ケータイ小説
(C)TAKUHAI-ATHLETE