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ケータイ小説:昭和から来た男

あの丘の上は異世界だったのか?
ボクは闇の世界を覗いてしまった


昭和から来た男

エピローグ

== エピローグ ==

 
「いやぁ怖かったよぉ。だって墓なんだもんなぁ。ホント、あん時はビビリまくったっスよ〜」

他の配達員に、デポでこの出来事を話していた。
 
「それで?荷物は渡したの?」

「うん、早く帰りたかったし、本人だって言うんだから」

「ンナ事あるわけねぇだろ。錯覚だよ錯覚」

あの辺りにはよく配達で行くけれど山の上に続く道なんて無いし建物なんか全く無いとひとりの配達員が言う。

「でも不思議な事はまだあるんですよ」

ボクはその後の話を続けた。
 
伝票。
それが無くなっていた。

失くしてしまったわけではない。 そんな荷物自体存在していなかった事になっていた。

つまりこういう事だ。
今日配達する荷物は全てコンピューターに伝票番号を入力してから配達に出かける。

そして荷物を品出しする際にも伝票ではなくて入力したデータのプリントアウトした紙で作業する。

だから荷物を積んでいたという事はデータは入力されていたという事になる。

そして帰ってからも今日のデータを入力する。
配達漏れが無いかチェックするためだ。
この時に持ち出しデータと完了データと合わないとエラーが出る仕組みになっている。

ところがあの伝票は帰った時に見つからなかったにも関わらずエラーが出なかったのだ!

朝のプリントアウトした紙にも載ってない!
そんな荷物自体、存在しなかった事になってしまっていたのだ。

一体ボクは、何を見たのか?
一体何を配達したのか?
ボクが見た男は…?

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